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ベスパってなんやねん!


■ベスパとは
 

ベスパ(VESPA)とはイタリアの「ピアジオ社(PIAGGIO)」が生産して
いるスクーターです。

ベスパといえば、映画「ローマの休日」でオードリー・
ヘップバーンが
ベスパに乗って、ローマの街中を走り回ったシーン(左の写真)や、
ドラマ「探偵物語」で主人公の"工藤ちゃん"(松田優作)がベスパに
乗っていたことが有名です。

そしてもうひとつ。1979年に公開されたイギリス映画。

60年代のMODS(モッズ)をテーマに描いた作品「さらば青春の光」
が有名です。この映画の中ではたくさんのベスパやランブレッタが
登場しています。

ベスパという名称の由来は、ボディーのテールの形状が昆虫の蜂の
お尻に似ていることから「ベスパ(スズメバチ)」と名付けられました。


■ベスパの誕生



 
ピアジオ社は1884年にレナルド・ピアジオ氏によってイタリアで
創設された輸送機器メーカーです。

創設以来、鉄道車両や航空機の生産によって培われた技術力を
背景に第2次世界大戦でも航空機メーカーとして躍進しましたが、
戦火によって工場等全ての施設が失われました。

再建の手段として選んだのは「モーターサイクル」の製造でした。
当時の開発リーダーは次の6項目のコンセプトを打ち出します。

1. 大量生産が可能でなければならない
2. 出来るだけ維持費がかからない
3. モーターサイクル同様スピードが出るもの
4. 航空機技術を生かしたスケールモノコック
5. タイヤ交換は自動車同様に容易であること
6, 乗り心地がよく、スポーティな性格

そして1946年、これらのコンセプトを満たした「VESPA」が誕生しました。

■ベスパのメカニズム
 

 

 

1.スチールモノコックフレーム

プレス加工で成形されたスチール製のボディーは、フレームとしての機能を
果たしながらエンジンを格納する器としての機能を併せ持ちます。

大きく張り出たフロントのレッグシールドは、乗り手を走行中の汚れから
守るために設けられました。

2.ギアチェンジシステム

設計当初から採用が決定されていたシステムで、正式には「グリップ
コントロールシステム」という名称。

足のつま先で変速するシステムとは違い、左手でクラッチレバーを引くのと
同時に手首を回転させ変速します。

3.エンジン

世界中のスクーターの原点ともなった機構、「ダイレクトトランスミッション」
これはエンジンからリアタイヤまでが一体となったシステムで、これにより
コンパクト化され、エンジンをボディーの中に納めることを可能にしました。

もうひとつは、エンジンをフレームに搭載するそれまでの二輪車と違い、
エンジンとフレームの間にサスペションを組み込むことで、エンジンの
振動が乗り手に伝わることを最小限に抑えました。

更にベルトやチェーンなどの消耗品をを一切使わない駆動方式により
耐久性にも優れています。

4.シングルアームサスペション

前後輪とも片側支持のホイールはタイヤ交換を容易にするためのもの。
これには航空機で培った車輪の技術が組み込まれています。

5.トータルメカニズム

開発段階の6つのコンセプトを確実に満たし、たくさんの新しいアイデアを
組み込まれて誕生したベスパ。

こうして誕生したベスパはシンプルで無駄のない構造で、スカートを身に
つけた女性でも容易に運転することが可能になりました。


■ベスパの四輪車
 
   
ベスパというと、二輪車というイメージがありますが、過去にはベスパの
名称で四輪車も生産していました。

これも二輪のベスパ同様、軽量コンパクトで実用性の高い自動車で、
1957年に発売された「VESPA 400」という車両は手に入れやすい価格
と可愛らしいルックスから人気を博し、約200万台も生産されました。

しかし同時期に発売された「フィアット600」の人気に押され、四輪車市場
から撤退を余儀なくされました。

このほかに「APE(アペ)」という、VESPA 50Sと同じ50ccのエンジンを
搭載した荷台付きオート三輪も生産し、これは現在でも生産され続けて
います。





■ベスパの現在〜未来
 
 
  
 

1946年に誕生したベスパですが、その後時代と共に、数々の改良を加えられ
たくさんの名車を世に生み出してきました。

過去の名車については当サイトの「POHTO」のTOYSコーナーで模型写真
とともに、いくつか紹介しています。

ここで私の乗っている「VESPA ビンテージシリーズ」についてですが、この
タイプのベスパはスモールフレームと呼ばれ、開発当初のコンセプトをほぼ
継承し、ボディーを小型化され1963年に登場したモデルです。

排気量は50cc、100cc、125ccと三種類あります。1983年、本国イタリアでは
一度生産が終了されましたが、日本での人気が高いため、日本への輸出の
ためだけに1987年から2000年までイタリアで再生産されていました。

驚くことにスモールフレームシリーズは初めて発売された1963年から2000年
までの37年間、一部ギアレシオ、電装等の変更は行われましたが、まったく
と言っていい程、モデルチェンジされずに生産されました。


そんなビンテージシリーズの再生産も終了し、開発当初のコンセプトのひとつ
グリップコントロールシステムを採用した車体は現在では、「Pシリーズ」のみ
となりました。

いずれこのPシリーズの生産も終了し、本家ピアジオ社製のグリップチェンジ
スクーターは消滅していくものと思われます。ただしイタリア以外の国(インド)
でライセンス生産されている「LML」や「bajaj」などが
グリップチェンジスクーター
を作り続けています。

またピアジオ社では、より現在のニーズに合った仕様に変更された「VESPA」
が生産され続けることでしょう。









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