第十四章 四枚クラッチ+強化スプリング


 

昨日に引続き本日は、四枚クラッチ+強化スプリングの取付けです。これを行うには、二つの特殊工具が必要です。

 

ひとつは「クラッチ抜き」これはクラッチアッシーを取り出すときに使用します。

 

もうひとつは、「スプリング外し」これはクラッチのインナークラッチにクラッチ版を組み込むとき、スプリングを押さえるために使います。

 

スプリング外しは、ロングボルトとワッシャーのようなもので自作すれば作れますが、ヤフオクでクラッチ抜き1,680円(即決価格)、スプリング外しが1,480円(即決価格)なので、手っ取り早く落札してしまうことをお勧めします。

   

  クラッチ抜き                スプリング外し

 

私はヤフオクに出会う前に購入していたので、二つで7,000円くらいで購入し、クラッチ本体の約二倍の値段に驚いた記憶があります。

 

手元に整備本があれば、クラッチの交換はほとんど問題なく行えると思います。宇賀神さんのHPでも分解画像で説明されています。というか、整備本を高い値段を出して買うよりは、宇賀神さんの分解画像を全てプリントアウトしてしまったほうが、役に立つかもしれません・・・・

 

ここで一部の整備本には載っていないのですが、クラッチについているコルクの溝の部分を、地金が見えるところまで削っておくと、オイルの循環が良くなり、クラッチの食いつきが増し、冷却効果も上がるようです。

これはベスパのクラッチ交換では、お約束です。

  溝の部分をきれいに削ったクラッチ版。

4枚の裏表となると、かなり時間は
かかりますが、やっておくと安心です。
 

ところで、クラッチ交換の時に気が付いたのですが、最初に修理してもらったときにクラッチは新品(三枚ノーマル)に交換してもらっていたのですが、外してみるとコルクの溝がしっかり削ってありました。まじめに作業してもらっていたんだなと実感しました。


スピルの納まりを確認し、ロックナットを締め、シュープレートを取付けるところでお決まりのトラブルです。
誤ってサークリップを折ってしまいました。ヤフオクで「クラッチ真鍮ブッシュ3点セット」というのが1,880円(即決価格)でほぼ常時出品されていますが、そんなに長いこと仕事部屋にベスパを横たわらせておくわけにはいきません。

ここは仕方なく某有名ベスパショップに在庫の確認を行い、数キロのサイクリングです。


サークリップはベスパパーツリスト通り、しっかり定価の840円(税込)でした。
急いで帰宅し、今度は折らないように注意して取付けました。

 

最後にエンジンカバーをかぶせてボルト締めですが、その際、真鍮製のブッシュをカバー側にセットした状態でかぶせなくてはいけません。ここで真鍮製のブッシュに少量のグリスを塗っておくと、カバーをかぶせる際のブッシュの脱落を防げます。

 

無事にカバーをかぶせ、リアブレーキ、タイヤ、マフラーを付け作業完了です。

 

さっそく試乗です。キックでエンジンをかけると、けたたましい爆音が・・・・


マフラーがしっかり付いていないようです。
ボルトを締めようとするのですが、バイクを立てたままでの作業となり、自分が地面に横になっての作業です。近所の人の目を気にしながら、ようやくしっかりボルトを締め試乗再開です。


エンジンをかけ、クラッチをつなぐと、今度はかなり耳に付く「ひゅーーん音」です。

ギアが慣らされていないためだとは思いますが、それにしても大きな音です。

 

ピナスコギアの慣らしがまだなので全開にはできませんが、他のHP等での噂通り、約10キロの速度アップでした。

 

それにしても「ひゅーーん音」が気になります。これは恐らくピナスコ一次減速ギアからのものと思われます。それから、四枚クラッチの切れが悪く、クラッチを完全に切っても、前にスルスルと進んでしまいます。いったん自宅に戻り、クラッチを何度か調整しましたが、どうもうまくいきません。

 

ここは「ひゅーーん音」が気になることと、クラッチの不調を確認するため、再度エンジンを分解することにしました。

エンジン分解は連日の作業なので楽勝です。ピナスコギア、四枚クラッチを確認しましたが、特に問題はないようでした。ただし、ここであることがひらめきました。
ピナスコギアを入れることにより、クラッチに
負担はかからなくなったはずです(たぶん)。4枚クラッチにする必要はないのではないか?ということで、強化スプリングのみのノーマル3枚クラッチに戻しました。

 

本日ニ度目の試乗です。相変わらず「ひゅーーん音」は目立ちますが、クラッチは滑ることもなく、調子がよさそうです。とりあえず、慣らしが終るまではこの状態で走ることにしました。


 

 

  


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