第十三章 ピナスコ一次減速ギア


 

私事ですが2004年4月、結婚いたしました。これからはベスパ以上に妻を愛していくこととなりました。


無事新居への引越しも終わり、ベスパは雨ざらしの駐車場から、屋根つき駐車場へ変わりました。
しかし、照明・電源付きガレージ(他人の契約していたスペースでしたが)を失い、おまけに閑静な住宅街へ引っ越したため、今後の整備をどこでやっていこうか悩んでいました。

 

そんな時、以前から気になっていた、クランク割らずにギヤ比が変えられる優れもの。

「ピナスコ一次減速ギア」5,500円で入手しました。

 

大通りを走行する際、ほぼ全開走行(それでも55キロ)でないと流れに乗れず、高回転域でのエンジンへの負担が気になっていました。私の理想はエンジンに負担を掛けず50〜60キロで走行することです。


さっそく取付けですが、すでに落札してあった4枚強化クラッチ+強化スプリングもついでに組みます。

 

しかし、ここで問題です。どこでベスパをいじろう?

 

引越し後、近所で整備できそうなスペースを物色していましたが、めぼしいスペースはほとんどなく照明付きとなると公園か、線路の高架下です。しかしどちらも家から徒歩10分の距離。工具を忘れたら大変なことになります。それよりもし修理が時間内に終らなかった場合、また故障してしまった場合は、仮組みしてベスパを家まで押して帰る羽目になります。


いろいろ考えた挙句、私はとてもよいスペースを思いつきました。

 

それは自分の仕事部屋(自宅)です。

 

私の自宅はマンションの一階で、仕事場は6畳程度の広さがあり机と棚がありますが、充分ベスパを寝かせるスペースがあります。照明もばっちりです。おまけに空調設備も完備!完璧です。


しかしこれを実行するためにはの承諾が不可欠です。
原付免許さえ持っておらず、車・バイクには全く興味のない妻の承諾を得るため、私はできるかぎりの言葉を使って妻に相談しました。

 

結果は・・・すんなりOKでした。なんと優しい妻でしょう。結婚して本当に良かった。

 

ただし、妻の仕事中は大きな音を出さない暗黙の了解つきです。私は妻の仕事の予定をしっかり把握し、部屋の床に養生をしてさっそく作業開始です。

 

  ピンボケですが、部屋での作業風景です。

床の養生は毛布の上に、たまたまあった
プチプチシートを敷いただけです。

 

エンジン分解に際しては、お約束の「スタイルハンドブック」を見ながら行います。ただし、エンジンカバーを開けることは、以前に行ったことがあったので、マフラーを外す手間以外は、特に手間はかかりませんでした。


いよいよ一次減速ギアとご対面し、ピナスコギアと交換ですが、ここでお決まりのトラブルです。
ギアを止めているナットが歯車も一緒に回ってしまいしっかり回せません・・・


ここを緩める方法はスタイルハンドブックには載っていません・・・となれば次はネット検索です。
宇賀神商会さんの分解画像を調べると、

 

ありました。ドライバーにウエスを巻いてギアに噛ませる。本当に神様の作ったHPです。

 

しかし、今度はナットが硬すぎて、ドライバーが負けてしまい、ドライバーの先がぼろぼろです。おまけに歯車の間にウエスが巻き込まれて、千切れて挟まっています。ドライバーを三本だめにし、ウエスのカスを取り除くこと5回。レンチの先に鉄パイプを挿し、より大きなトルクをかけることで、ようやくナットが外れました。ここまでの所要時間3時間。

 

  一次減速、新旧の写真

右側が外した、旧一次減速
左側が今回取付けるピナスコギア

ノーマルの歯数が14Tに対し、ピナスコは16T
2T多い。

ナットが外れてしまえばあとは楽勝です。ピナスコギアは表裏もないので、悩むことなくボルトオン!スピルをしっかり確認してあとはトルクレンチで規定トルクで締めこめば完了です。といってもここまで4時間かかりました。電動インパクトレンチの必要性を心から感じた一日でした。

 

すっかり夜中になってしまったので、クラッチ交換は明日です。エンジンカバーを明けたままですが、ここは自分の部屋です!

ぜんぜんオッケーです!

 

尚、ピナスコ一次減速ギアの走行レポートは次章でお伝えします。


 

 

  


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