第二十一章 バーエンドウインカー補修



 第19章の立ちゴケでもらったもうひとつの代償、バーエンドウインカーの曲がりを補修します。

 

この部分は恐らく、スモールボディーベスパのもっとも弱いところではないでしょうか?街中で見かけるベスパも、大概この部分がグラついていたり、へたするとぶら下がってたり、無くなってたりします(笑)

 

私はこれがグラついていることが大嫌いで、友人のベスパも含めると20回くらい直してきました。なので私にとっては日常的な整備なのですが、いくつか注意点などを含めてお伝えしたいと思います。

 

まずは状態の確認。ウインカーレンズの割れ、玉切れ等をチェックして、激しく破損していたら新しいものを購入、または補修しましょう。壊れていなくても、オークションなどで安いものがあれば購入しておくと良いと思います。

レンズを購入する際、オレンジ色のレンズの場合、メーカーやロットによって色合いが違うので注意して下さい。色違いが嫌なら、左右2本とも交換します。1個は予備で購入しておいても良いと思います。

 

アセンブリー(ウインカー部品が全てセットになっているもの)で購入する際は、グリップに差し込むプラスチックの部分の色が、これまたメーカーによって、乳白色・黒・グレーと私の記憶している限りで三種類あります。これも色違いが気になる方は注意しましょう。

 

補修の手順はざっとこんな感じです。(私なりの順序です)

 

1.ウインカーレンズを取り外す。(レンズ先端のビスを外します)

 レンズを外すと内側にゴムの小さなキャップがはまっています。

   

レンズとその内側に入っているゴムキャップ。
これは、レンズとウィンカーフレームの間の
緩衝材の役割です。

透明で小さい部品なので紛失注意です。
無くしてしまったり、元々入っていなかったら
似たようなビニールパイプの素材を見つけて、
入れておくと良いです。

ウインカーレンズには方向性があります。
レンズのふちに欠き込みがあるので
組み立て時にはそれを合わせます。

2.電球を取り外す。電球の落下、破損に注意。


3.電球の配線とつながっている軸受け金色の部品を外す。小さいマイナスネジです。

 この際、中に小さなバネが入っています。

   

小さなバネを紛失しない様、注意してください。

取付け時に、配線の先をねじって、しっかりビスが
配線を押さえるようにします。

 

4.グリップのゴムをめくり、ウインカーとハンドルのパイプを固定しているボルトを
 マイナスドライバーで外す。

   

グリップをめくってボルトを緩める図

グリップゴムをめくる時は、淵の部分に
あまり強く力をかけないように。
ゴムが劣化していると千切れる恐れがあります。

グリップパイプの外側のリングを回して
穴をあわせて、ボルトを外します。

5.ウインカーを抜く。

 

6.ウインカーが差し込んである、グリップのパイプ末端の部分の歪みを修正する。 

   

パイプ末端の4枚に分かれた部分をペンチなどを
使って、真円になるまで修正します。
これをしないとグラつきは直りません。

ウインカーのプラスチックの付け根を入れるとき、
少しきつい位まで曲げておきます。
 

7.レンズの金属フレームの歪みを修正する。

   

金属フレームの歪みを修正します。

この部品の金属はやわらかく、いろいろな方向に
歪むので全体的に歪みを修正します。

この時にプラスチックの付け根とフレームを外して
フレームと付け根がぴったりはまるようにすると
よいです。

 

あとは逆の手順で組み立てて行くのですが、ハンドルのパイプとウインカーを固定するボルトを締める際、力を入れすぎると、プラスチックのネジ穴のため、ネジ穴がバカ(空回りする)になります。私のウインカーもここがバカになってしまっていますが、エポキシ系の接着剤をネジ穴に塗り、乾燥させてネジ穴を復活させました。

 

それから電球を取付けた時点で、点灯確認をして下さい。これをせずに全て組み立ててから電球が点かないとけっこうショックです。

 

こうやって改めて書くと、結構面倒な作業のように見えてしまいますが、作業時間は10〜20分程度です。工具もドライバーとペンチがあればできます。


小さな部品の紛失と、ネジ締めの力具合さえ注意すれば、問題なくできると思います。



 

  


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