第二十章 タッチアップ


 

 

前章で立ちゴケ&サイドカバー脱落という不運に見舞われ、小傷だらけとなってしまったので、今回はタッチアップのお話です。

 

「タッチアップ」とは、軽い転倒や小石の飛跳ね等で傷付いてしまったボディー塗装面の補修のことです。

 

私の場合、ベスパ本体は黒いボディーなので、市販品のタッチアップ材を使い補修しました。


脱落してしまったサイドカバーは黒ではなく、実は盗難されたベスパの形見で、赤茶色です。
これは市販のタッチアップ材では色が違ってしまうのですが、父からベスパを譲り受けた際、塗装屋さんでほぼ同色の塗料を作ってもらっていました。貧乏性の私は、ベスパは盗難されても塗料は捨てず、保存していました。

   

タッチアップ材

左が市販品の修正液タイプ(黒)
右が以前作ってもらったタッチアップ材(赤茶)
 

サイドカバーは、運悪くボディー表側の面が道路と擦れ、出っ張ったところが傷だらけになってしまいました。

   

傷だらけのサイドカバー

全体的に傷ついていますが、特にひどいのは
フィンの切ってあるところの出っ張った部分です。
 

バリが出ているところもあるので、ここは先日購入したハンドリューターを使ってバリ取りです。別に手作業でもいいんですが、使ってみたかったもんで・・・

 

先端工具は金属だと地金の鉄板まで削れてしまうので、ロール状の紙やすりを取り付け使用しました。さすが電動!あっという間にバリが取れます。バリ取りは、削ったところを指で触れ、滑らかになっていればOKとしました。

 

バリが取れたら次は塗装です。

今回はあとでヤスリがけ&表面磨きをするつもりなので、刷毛ムラはあまり気にせず、ガンガン厚塗りしました。塗料は乾くと痩せるので、少しこんもりと盛り上がる程度です。塗料を塗って終わりという場合は、薄塗りで2回か3回に分けて塗ると失敗が防げると思います。

 

塗料が乾燥するのを待ち、次は表面を整えていきます。ここで電動のハンドリューターを使用すると、塗装をまた削り取ってしまうと思い、手作業で行いました。1000番程度の紙やすりにCRCを吹きつけ、今回塗装した部分と元の塗装の部分の凹凸をならしますが、ここでは元の塗装面の部分はなるべく削らないように注意します。

 

表面の凹凸がほぼなくなったところで、布にコンパウンドをつけて磨きました。最後に実家に帰ったときに弟から分けてもらった、ブリス(ガラス繊維系ケイ素ポリマー)でシコシコ磨きました。

   

タッチアップ後のサイドカバー

やはり小傷はありますが、塗装が剥げている部分は
全て補修しました。

ひどかったフィンのところもきれいになりました。
(実物は写真より汚いですが・・・)

ブリスの効果は絶大で、ツヤのなくなったサイドカバーがあっという間にピカピカになりました。弟の使用した限りでは、一ヶ月程度は輝きが持続するといっていました。次回洗車時には、車体全体に使用してみたいと思います。

 

同じ色に調合した塗料といっても、多少の色違いがありよく見るとムラのように色違いができていますが、まぁ私の主目的は「みっともなくないサビ止め」だったので目的は達成できました。

この程度の補修であれば、器用な人でなくてもできると思います。完璧な仕上がりを望む方は、専門的なサイトを見て勉強するか、カーコンビニ倶楽部に行きましょう。

 

ベスパ初心者の方へ

 

周知の通りベスパのボディーは、ハンドルの部分やモールを除き全て鉄板です。塗装が剥げると、サビの進行が急速に進みます。

特に明るい色の車体は赤茶色のサビが目立つとほんとに悲惨です。

 

簡単なタッチアップ(ただ塗料をのせるだけ)であれば、ほとんど手間はかかりません。冒頭で紹介した修正液タイプのタッチアップ材は600円程度で購入できます。大きさも小さく邪魔になる物ではないので常に携行しておき、気が付いた時に、とりあえずタッチアップしておくことをお勧めします。

 

特殊な色の車両の場合、市販品では色が合いませんが、同じ種類のタッチアップ材を何種類か購入して調合すれば、かなり近い色が作れると思います。


乾燥後は多少色が変わるので、試し塗りを忘れずに。


 

 

  


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