第五十七章  TMパワーを手に入れる その4 エアフィルター編



 

前章でセッティングの出たキャブレター。性能を100%発揮しているとは思いませんが、デロルトで出ていた不具合から比較すれば快適そのものです。

しかし気になることがあります。それはエアフィルター

セッティングではとりあえず"直キャブ"に近いエアファンネル(前章参照)を使用しましたが、この先エンジンに与えるダメージを考えると不安です。とりあえずセッティングも出せたので、小心者の私はエアフィルターを付けてみることにしました。

   

手元にある中で唯一装着可能な

デイトナ製エアフィルター

直径75o、奥行き65o

取付口の口径はキャブレターが
45oなので、その前後なら取付け
可能。

かなり小さいものを入手したつもりでしたが、これでも収めるのがやっとです。キャブレターをエンジンに付けたままで装着することができませんでした。仕方なくキャブレターを外しフィルターを取り付けます。

エアフィルターはその名の通り、空気を濾過してゴミを取り除きます。よって当然のことですが多少の吸気抵抗が発生します。そのためエアフィルターを装着した場合は、再度キャブレターのセッティングが必要になります。

どれだけ吸気抵抗が出たのか、とりあえずテスト走行してみます。

走り出してすぐにわかりました。アクセル開け始めの「グワッ!」という加速がなくなり、かなりマイルドに・・・またメインジェットの交換をしていないんで、かなり濃い状態のようで、高回転の伸びが減りました。

テスト走行のついでで、最近知り合いになったエンジンカスタムに詳しいおっちゃんのいるバイク屋までひとっ走り。おっちゃんにエアフィルターを付けた事を話すと、

「TMはセッティング出た時の強烈なパワーが楽しいキャブだから、エアフィルターつけると面白くないよ」

と言われました。まったくその通りです。おっちゃんが言うには"ラムエアー"というスポンジタイプのエアクリーナーがあり、これだと限りなくゼロに近い吸気抵抗でゴミを除去してくれるのでお勧め。と言われました。

"ラムエアー"は知ってましたが実物を見たことがなく、残念ながらおっちゃんのバイク屋には"ラムエアー"は置いてないんで、知り合いのいるいつものバイク屋へ。ファンネルに被せるだけのお手軽装着タイプ(ソックスタイプ)で値段が5,500円。高すぎる!

何でこんなスポンジ丸めただけのが5,500円?商品説明を見ると、効率的にゴミを除去しパワーダウンにならないと書いてありますが、この値段で買う気にはなりません。こんなのだったら2,000円程度で売ってるシート状のフィルター丸めて自作すれば作れる!とも思いましたが今回は保留。

まぁ考えてみれば、ベスパのキャブレターはボディーの中に納まってるわけで、直接外気を吸入するわけではないので大きなゴミの入り込む可能性は少ない。加えて今まで付けていたポリーニのスポーツファンネルはほとんど直キャブだし、ノーマルのピアノ型エアフィルターも決して高性能とは言いがたい・・・

   

ポリーニのスポーツファンネル。

プラスチックの箱に穴が開いてる
だけです。ほぼ直キャブです。

この形状がチャンバー効果で
吸気性能を上げると言われてます。

   

純正のピアノ型エアフィルター

効果はあるとは思いますが
高性能・・・ではない?

ボアアップやチャンバーを入れた
ときは、この丸まっている金網を
1/3〜1/2カットすることで、
吸気抵抗が減るといわれてます。
ということで、せっかくセッティングも出たことだし、しばらくは前章で装着した茶漉しのようなエアファンネルで走行する事にしました。

気が向いたら"ラムエアー"か、"自作ラムエアーもどき"を装着すると思います。

しかしエアフィルターでこれほど性能が変わるとは驚きでした。ただし考え方によってはメインジェットの番手が変わるほどの変化なので、エアフィルターを装着すれば燃費が良くなるはずです。これも時間ができたらデータなどを取ってみたいですね。

これまで4章かけてキャブレターについてお伝えしてきました。続いて社外キャブを付けた際は必須の"リモートチョーク"加工をする予定でした。が、最近暖かくなってチョーク引かなくてもエンジンが掛るようになったので、しばらくは加工しないことにしました。今年の秋までには加工する予定なので、その時またお伝えします。



 

  


TOP | 当サイトの説明・注意 | ベスパ奮闘記 | 戯言 | PHOTO | BBS | Link | update