第五十六章 TMパワーを手に入れる その3 セッティング編
車体への取り付けが終ったので、さっそくテスト走行です。
ジェット類はパイロットジェットを#20、メインジェットを#140、ジェットニードルは三段目(中央)でとりあえず組みました。
まずはアイドリングだけ適当に合わせて走ってみましたが、とりあえずは走ってくれました。そして不安だったアクセルワイヤーの不具合はないようです。しかし何も調整していないのでまともに走りません。
いよいよセッティングを行いますが、その前に直キャブではエンジンにゴミが入るのが心配なのでエアフィルターをつけてしまいます。
@のエアファンネルは、吸気口に茶漉しの網のようなものが付いているだけで、限りなく直キャブに近いです。細かいゴミは通してしまいます。AとBはフィルターが付いていて、細かいゴミまで拾ってくれそうです。
現在手元にあるエアフィルター
@エアファンネル
Aキタコ製エアフィルター
Bデイトナ製エアフィルター
@とAは落札した時に付いてたもの。
Bはオークションで300円で落札。
ただしAはフィルターの奥行きが長すぎて納まらないので使用不可。@かBの選択になるんですが、まずは限りなく直キャブに近い@のエアファンネルを取り付けてセッティングしてみることにしました。
セッティングの際の基準ですが、キャブレターは各開度ごとで働くパーツが分かれていて、簡単に説明するとこのようになります。
ということでアクセルの開度を確認できるようにするため、グリップに印をつけました。
各開度で機能しているパーツです。
黄色:パイロットジェット
エアスクリュー
青色:スロットルバルブ
緑色:ジェットニードル
赤色:メインジェット
これで準備は整いました。セッティングは"低開度"(パイロットジェット・エアスクリュー)→
"中開度"(ジェットニードル)→
"高開度"(メインジェット)の順で行っていきます。
開度0・1/8・1/4・1/2・全開
の計5ヶ所。
修正液でつけました。
ではまず"低開度"のセッティング。これはパイロットジェットの番手とエアスクリューの絞りで調整していきます。パイロットジェットは落札したキャブに付いていた#20を付け、エアスクリューを一番締め込んだところからの"1と1/2"(1回転半)のところに合わせエンジンを掛け充分暖気します。
エンジンをかけた状態でアイドリングスクリューを回してアイドリングが若干高い状態にします。それからエアスクリューを左右に回して回転が一番高くなる部分を探します。私のエンジンでは"3と1/2"(3回転半)のところで回転が一番高くなりました。
本来であれば、ここでもう一段番手の小さいパイロットジェットに交換するべき?ですが、手持ちがないのでこのまま進めました。これで通常走行する際の回転までアイドリングを下げていきます。
アイドリングでカブルことなく、アクセルの開けはじめがもたつく事もないのでこれでOKだと思います。資料を見ましたが、この時アクセルを1/8のところでホールドした時に「パパパパパ・・」と歯切れの良い音で回転が安定していれば問題ないそうです。私のも安定していました。
続いて"中開度"です。これはジェットニードルの段を変える事でセッティングを行っていきます。とりあえず3段目(中央)に合わせたところで走行してみましたが、アクセル開度が1/4のところで激しくミスファイヤを起こしています。
そこからアクセルを開けてもミスファイヤが爆竹のように連発します・・・
乾いた音がするのでガスが極端に薄いと(勝手に)判断し、段数を5段目(一番濃い状態)にしてみました。するとアクセル開度の1/8から1/2のところでミスファイヤは起きなくなりましたが、1.2速でアクセルを素早く開けるとカブリます。そこで再び5段目から4段目に段を変えて走行したところ、ミスファイヤもなくカブル事もなく、きれいに吹け上がるようになりました。
次に"高開度"です。これはメインジェットの番手とプラグの焼け具合でセッティングしていきます。手持ちのメインジェットは#125〜#155まで、5番飛ばしなので合計6個です。これは落札時に付いていたものです。
とりあえず#140をつけて慣らしで約30kmほど走行してみました。プラグを見てみるとかなり薄い状態に見えます。エンジンは気持ちよく回りますが高回転域での伸びがないような・・・
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新品で30kmほど走行したプラグ。 "B7HS" 突き出た端子の部分が真っ白に焼けて いるので薄いと判断しました。 |
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