第二十四章 謎の失火
ここ数日、突然のエンジン停止、掛かりの悪いエンジンに悩まされていました。その都度プラグを外し火花が飛んでいるか確認していたのですが、どうも火花が弱いような気がしていました。そして、ある日突然火花が飛ばなくなりました。
第19章でコンデンサ交換を行ったため、コンデンサの不良、または故障かと思いフライホイルを外して確認しましたが、特に異常は見つかりません。
エンジンに近いところから順番に、プラグ→プラグコード→HTコイルと断線を確認していったら、HTコイルとフライホイルから来ている配線端子の接触不良だということが、あっけなくわかりました。
恐らく原因はエンジンの振動で接点が緩んだと思われます。防水のゴムキャップを外し、接点部分を見てみると、雨水が浸入したらしく、接点部分が錆びていました。この状態では接点をつないでも、再び接触不良になる恐れがあることから、接点の掃除をします。
HTコイルをボディーにつけたままでは作業しづらいので、まずエンジンからHTコイルを取り外します。フライホイルカバーを取り外すと見える二本のボルトでエンジンに固定されているので、これを外します。このとき気づいたのですが、この二本のビスが緩んでいました。
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取り外したHTコイル |
取り外したところで接点の掃除をします。接点部分を1000番のヤスリで磨いて接点の錆を落としました。
その次に、端子同士が取付けてもグラグラする状態だったので、端子同士がしっかりはまるように、ペンチを使って端子を曲げました。この時点で通電の確認をする場合は、HTコイルをエンジンの金属部分に触れさせてアースを取らないと、火花は飛びません。
ただその接触方法が甘いとHTコイル自身から火花が飛び、感電の危険があるため注意してください。通電の確認はHTコイルをエンジンにボルトで固定してから行うか、ゴム手袋をはめて行うことをお勧めします。
通電確認した火花の状態は、今までよりも明らかに力強いものでした。あとは車体に取付ければ作業完了です。
取付ける際は、裏側からボルトを当てがって締めるのですが、エンジンとボディーの隙間が狭いので、作業しづらいです。後輪を浮かせるようジャッキアップするか、リアサスペションのボルトを外して、エンジンとボディーの隙間を広げれば、作業しやすいかもしれません。
私は面倒くさいので、狭い隙間に手を入れて作業しました。ベスパを整備したおかげで、見えない部分のボルト・ナットを、手探りで開け閉めするのが、だいぶ得意になりました。ただし、これはボルト・ナットの頭をなめる原因になるので決してお勧めしません。
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取り付けの終ったHTコイル。 |
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