第二十七章 俊足ベスパ計画 その3 ポート加工・シリンダーヘッド研磨



 

パーツの取り外しが終ったところで、加工に入ります。まずは「ポート加工」です。

ボアアップキットの底面を見ると、今までより大きなポートの切欠きが見えます。この大きさに合わせてエンジンケース側のポートを削っていきます。

   



ノーマルシリンダーとボアアップシリンダー

左がノーマル。右がマロッシの102ccです。

白い○で囲った部分の大きさが異なります。

更にボアアップシリンダーにはマニホールド
側にポートが追加されています。
(黄色い○の部分)

   

エンジン側にガスケットを当てて削る
部分をマーキングします。

黒くマジックで塗られたところが
削る部分。(3ヶ所)

これはクランク分割の前にやって
おきました。

エンジンケースはアルミで軟らかいため、普通にヤスリを使っても削れるのですが、時間がかかるのと、手が滑って余計なところを削ってしまう心配があるため、電動リューターを使用しました。

   

加工に使った道具。
電動リューターと先端工具

左から順に
@細かいところを削る金属ヤスリ。
A広いところを削るヤスリ。
B荒磨き用1「フラップホイル」
C荒磨き用2「軸つきスポンジ砥石」
D細かい部分のバフ磨き用「バフ用フェルト」
E広い部分のバフ磨き用「バフ用フェルト」
Fバフ磨きの必需品「青棒」

先端工具は百円均一で買える物はそこで買い、ないものはホームセンターで購入しました。リューターに先端工具がいろいろ付属していたので、買ったのはフラップホイル、軸つきスポンジ砥石、青棒くらいです。三つで2,000円くらいでした。

電動リューターのおかげで、アルミのケースは面白いように削れました。しかし、調子に乗って削っていると、が開く可能性があります。究極のチューニングでは穴が開くまで削って、その穴をパテで埋めるそうですが、私はそこまでやらずに、マーキングした部分に沿って、元から付いていたテーパーに合わせて、削っていきました。

   

バフ磨きまで終わりました。といっても
鏡面加工まではやってません。

加工前と比べて、ポートが広くなっている
のがわかると思います。

ついでに19mmキャブの付く穴もインテーク
マニホールドの大きさに合わせて広げました。
(写真下の長方形の穴です)


ところで「バフ磨き」って何?って方に簡単に説明しますが、これは金属の表面を磨いて鏡のようにピカピカにする加工のことです。方法は荒磨き→中磨きを行い、平らになった金属面に、布や今回使ったバフ(フェルト)に研磨剤(今回使った青棒やピカール)をつけて、ただひたすら擦ります。

今回はエンジン内部の混合気(ガソリンと空気が混ぜられ気化したもの)の流れる通路にこのような加工をしました。これにより混合気が通路の壁に当たる抵抗が減り、スムーズに混合気が流れるようになる・・・らしいです。

その他にも外装カスタムで、エンジンの外装をこれで磨いてピカピカにしてドレスアップする。なんて使い方もあります。

今回は同じような作業なので、シリンダーヘッドの研磨もしてしまいました。ここでは、先に紹介した工具のCEFの三種類を使って作業しました。

 

ヘッド研磨後の図

加工前の写真があればわかりやすかった
んですが・・・撮るの忘れました。

加工前のシリンダーヘッドは、砂型が残っており
ざらざらでツヤの全くない状態でした。

バフ磨きはしたものの、鏡面とまでは行かず
かなりいい加減に磨きました。 

尚、電動リューターを使用する際の注意ですが、細かい削りカスがあちこちに飛び散ります。目に入ると危険ですし、アルミの粉を口から吸ってに達すると悪影響があるとかないとか・・・そんなことより、皮膚に付着すると痒くなるので、完全防備で作業することをお勧めします。

   

保護めがね。防塵マスク。手袋。

全て百円均一で購入。計300円也。

防塵マスクは確か8枚入りで100円。
超お買い得。

ここまでで約3時間の作業でした。次章は最難関とも思われる、クランク加工です。

 

 

  


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