第三十章 俊足ベスパ計画 その6 ケース内洗浄・パーツチェック



 

苦労した加工や、ベアリングの引抜きがようやく終ったので、ついに組み立て。しか〜し、そのにケース内部を洗浄します。

ケース内部は思ったほど汚れておらず、歯ブラシで擦ると簡単に汚れが落ちました。灯油とガソリンを混ぜた「洗い油」を使って洗浄しようと思っていたのですが、廃油の処理が面倒なのと、匂いの問題があり、結局パーツ
クリーナーを使って洗浄してしまいました。

洗浄の際の注意ですが、もしベアリングをケースにつけたままで洗浄する場合は、洗った液体がベアリング部分に掛らないように注意が必要です。これを怠ると、ケース内のゴミがベアリングに回り込み、間違いなくベアリングにダメージを与えるでしょう。

私の場合、基本的にベアリングは全て外しましたが、一ヶ所だけ外していないベアリングがあったので、その部分だけは注意して洗浄しました。

   

外していないベアリング

ローラーベアリングです。

これも前章の自作プーラーで引き抜けば
いいんですが、今回はパーツの用意がない
ので触らない事にしました。

パーツクリーナーで一度脱脂してから
オイルを差しました。

ケースの洗浄と合わせて、外したボルト類も合わせて洗浄しました。

洗浄が終ったところで、何気なく手元にあったスプリングギア(クラッチバスケット)にクラッチ板を入れてみたところ、なんとクラッチが納まりません。

   

バスケットに納まらないクラッチ

でもこの時点で気づいて良かった。
もし組んでからだったら、
面倒なことになってました。

原因は一ヶ所だけ爪が曲がっており、それが引っかかって、クラッチが納まらないようです。オイオイ!!

バスケットの爪の曲がりをハンマーで叩いて調整し、干渉していた部分をリューターで削って、クラッチが納まるように修正しました。その他、バリが出ているところもあったので、それも削りました。尚、クラッチ板とバスケットのクリアランスは、ノーマルのクリアランスを参考に、同じ程度としました。

   

修正が終り、無事バスケットに納まりました。

気になったのは、バスケットの爪の材質。
ノーマルでは焼きの入った硬そうな鉄でしたが、
これは見た感じ柔らかそうな鉄です。

これで爪が当たって削れるなんて事はないん
でしょうか・・・

これで無事クラッチは納まるようになりましたが、念のためその他のパーツも調べてみることにしました。本来は基本事項かもしれませんが・・・

ボアアップキットのシリンダーポート付近はで触ってみて、少しざらつきがあったようなので、穴の周囲を600番台のサンドペーパーで擦り、ざらつきがなくなる程度としました。

   

ペーパーを当てたシリンダーのポート類

丸で囲った穴と、写真では見えないその他の穴も
ペーパーを当てて、細かなバリを落としました。

 

ギアセレクター(変速部分の爪)の確認

この角が取れて、丸くなっていると要交換。

これは大丈夫でした。(たぶん)

   

スピル溝の確認

ここが歪んでいると、スピルが破損し
重大なトラブルになる可能性があります。

3ヶ所全て確認しましたが、問題ありません
でした。

この他に、ギア欠けの確認や、ケースの合わせ面のバリ取りなど行いました。できることなら、クランクの芯ずれもチェックしたいところですが、チェックする計器がないので諦めました。

さぁ!いよいよ次章から組み立てです。ここまでで6章。いったい何章かけるつもりなんだって感じですが、素人なので焦らず行きまーす!

 

 

  


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