第三十一章 俊足ベスパ計画 その7 ベアリング・ドライブシャフト取付け



 

さて今回からようやく組み立てに入ります!

まずはドライブシャフト以外の、4個のベアリングをケースに打ち込んでいきます。

この4個のベアリングの取付け方法はほとんど一緒で、叩いて打ち込んでいくだけです。打ち込む部分にゴミが残っていないかを入念に確認しました。その後ベアリングが入り易くなるようCRCをケースに吹き付けました。


打ち込む時は、私は手元にあったアルミの角材を使用し、なるべく均等に力が掛るよう打ち込みました。

   

アルミ角材を当てて打ち込んでいる図

ケースより奥に打ち込むときは、タガネを使い
外輪を叩き、なるべくダメージを与えないよう
注意して叩き込みます。

今回は当て金にアルミ角材を使用しましたが、
叩いているうちにアルミが削れてその破片が
ベアリングに落っこちてしまいました。
取り除けましたが・・・

もっと硬い金属にしたほうが危険が少ないです。

   

4ヶ所のベアリングが嵌め込み完了

クラッチ側ベアリングにはスナップリング
も取り付けました。(写真左の2個)

ベアリングを嵌めたあと、キックレバーのシャフト(1/4歯車)を外して、Oリングを交換しました。交換後シャフトにグリスを塗り、シャフトを取り付けます。

   

Oリングの交換。

写真奥の穴からOリングを外したところです。
マイナスドライバーでこじって外しました。

次に、クラッチバスケットを取付けてしまいます。ドライブシャフトを先に嵌めてしまうと、バスケットが取付けられなくなるので、必ずこれを先に。

   

取付けの終ったクラッチバスケット

抜くときと同様、ケース・ギアに傷がつかない様
慎重に入れました。

先程はめたベアリングにバスケットを収めて
裏側にスナップリングを付ければ完了です。

続いて、ドライブシャフトの取付けです。これはケースにドライブシャフトをケースに通してから、ベアリングを挿入します。こうしないと、ドライブシャフトのベアリングはしっかり収まらないようです。

   

ドライブシャフトをケースに通す時に
ギアセレクターの爪を合わせておきます。
上下2ヶ所あります。

これを忘れると大変です。

ドライブシャフトをケースに通した状態でドライブシャフトにベアリングを打ち込みます。これは、鉄パイプを用意しベアリングの内輪に当てて叩きます。

ドライブシャフトにベアリングが最後まで収まったところで、ベアリングをケースに打ち込んでいきます。ケースにベアリングを収める際はベアリングの外輪を叩いて入れます。写真を撮るのを忘れ一心不乱に組んでしまいました。 

   

ドライブシャフト取付け完了。

このベアリングは、ケースより約2mm程
奥で止まります。

   

4枚歯車まで一気につけてしまいました。

歯車は外した順番で表裏を間違えない
ようにして保管しておいたので、難なく
組むことができました。

スターターギアは4枚歯車をつける前に
取り付けてあります。(○で囲んだ部分)
あとからではつけられなくなります。

次に新しいオイルシールを嵌め込みます。ケースと面一(ツライチ)になるまで嵌め込みます。アルミ角材を当てて、プラハンで叩きました。

   

クランク左側(クラッチ側)のオイルシール。

クランク側にゴムの面がくるように。

はめ込む時に、2ストオイルをつけて
滑りを良くしました。


今回取り付けたパーツは、オイルシールを除き、全てまで叩き込んでしまってよいものです。クリアランスは必要ありませんでした。(たぶん)

尚、最初の4個のベアリングの取付けにあたり、少しでも入りやすくなるように、ベアリングをビニール袋に入れて冷凍庫で一晩キンキンに冷やしておきました。おかげでかなりスムーズに打ち込むことができました。熱膨張の関係で冷やすと縮まり入りやすくなります。ただし冷やすとベアリングに水滴がつくので、それを嫌う人もいますが、その辺は好みですね。

尚、作業時間はベアリングが入りやすかったこともあり、約1.5時間でした。

 

 

  


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