第三十八章  ブレーキチューニング




半月前に完了した俊足計画、この時に行ったブレーキチューニングですが、本編では触れなかったため、改めてここでお伝えします。

スピードが出るようになったら、同時に安全に止まれるようでなければ恐ろしくてたまりません。ベスパはリア加重であることと、フロントブレーキはあまり役に立たないことから、まずはリアブレーキのチューニングを行いました。

私の場合すでにばらした状態から行ってしまっていたのですが、はじめからやる人に簡単に説明します。

まずリアタイヤを外します。この際センターロックナット(ドライブシャフトに付いている22mmのナット)を外してしまえば、タイヤの4本のボルトは外す必要なく、ハブプレートごと外れてしまいます。ただしマフラーがノーマルではなく、マフラーを外さないとタイヤが外れない人は、先にマフラーを外してください。

タイヤとハブプレートを外すと、下の写真の状態になります。

   

タイヤとハブプレートを外した状態。

実は加工後の写真で、すでにスリットが
入ってます・・・
ここでブレーキシューを取り外します。方法はブレーキシューにを固定しているC型クリップ(上の写真の黄丸の部分)を外したうえで、ブレーキをいっぱいに開きます。その状態でブレーキシューとバックプレートの間にマイナスドライバーなどを挟み、こじればブレーキシューが外れてきます。スプリングが効いていてなかなか外せませんが、少しずつずらして外します。

ブレーキシューが外れたらブレーキシューをカスタマイズします。私は予備のブレーキシューがあったので、交換してしまいました。

   

スリット加工中

シューの表面に金ノコで溝を掘りました。

溝の深さは2mmくらい。
バランスよく4本掘りました。

これでブレーキシューのカスがシューに
付着して、ブレーキの効きが悪くなることが
防止できます。

   

続いて面取り

シューの端部をヤスリで削ります。

幅5mmで深さ2mmくらい角を落としました。
これは適当です。

これをすることで、ブレーキが鳴かなく
なるとか。
面取りとスリット加工が終ったらシューの部分全体に600〜1000番台の紙やすりで当たりをつけます。

   

左が加工前、右が加工後

スリットが入ってかっこよくなりましたw
(取り付けたら見えませんが)
最後に削りカスをきれいに落として、ブレーキシューの加工は完了

続いてブレーキハブの中のシューが当たる部分に300〜500番程度の紙ヤスリで当たりをつけました。

   

ブレーキハブの内側のシューが当たる面
全体にヤスリをかけます。

尚、このブレーキハブは100のアルミ製です。
(落札したエンジンについてました)

青く見える線は今回の作業とは
関係ありません。
滅多にばらさないところなので、ついでにグリスアップと掃除もしてしまいました。バックプレートについているブレーキレバーも外して掃除しました。その際ブレーキレバーを外しづらかったので、バックプレートを車体から外しました。これは車体を立てたまま行うと、ミッションオイルがダラダラ漏れてきます。車体を倒して行いました。

   

バックプレートは3本のナットを外せば
取り外せます。

この時、ドライブシャフトのベアリングが
むき出しになるので、ゴミを落とさない
ように注意が必要です。

尚、ここには紙のガスケットが挟まっています。
交換の予定のない場合はこれが破れないように
注意しましょう。

   

ブレーキレバーを抜いたところです。

ゴミと古いグリスを取り除いたあと
たっぷりグリスを塗りました。

ここにもOリングが二本使われていました。
今回は交換しませんでした。
ちなみに私はバックプレートを外す際、ワイヤーは外しません。あとで張るのが面倒なので・・・

バックプレートもオイルシールの周囲や、ブレーキシューが付く部分の古いグリスを取り除き、パーツクリーナーで洗浄しました。裏側が結構オイルで汚れています。

   

バックプレートです。

ブレーキシューを取付ける際は丸の部分に
グリスを塗ります。

塗りすぎても後で拭けるのでたっぷり
塗りました。

しかし、はみ出したグリスは走行中に
飛び散って、ブレーキが効かなくなる
恐れがあるので、しっかり拭き取ります。
あとは取付け作業ですが、私はここで先にバックプレートにブレーキシューを取付けてしまいました。この取り付けが一番大変です。私は先に片側だけつけてしまって、それからスプリングを引っ掛け、ブレーキレバーのシャフトとブレーキシューの間にタガネを挟んで、テコの要領ではめてます。(これはいろいろ方法があるみたいです)

バックプレート取付けの際はガスケットの収まりと、ベアリングにゴミが落ちていないか確認します。ガスケットが不安だったら、新しいものと交換するか、液体ガスケットを塗って使用します。

マフラーを外さなければならない場合は結構面倒ですが、ブレーキシューの加工も含め2時間位できると思います。


 

  


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