第四十九章  点火時期の確認・調整(タイミングライト編)



 

前章ですっきりしないまま点火時期の確認をして数日後。ようやくタイミングライトを入手。

ではここで前章より突っ込んで点火時期の確認・調整をしていきます。ベスパスモールボディの点火時期はヘインズマニュアルによると"進角19度"とあります。それはどういうことかというと・・・

   

上死点に対し19度進んだところが
点火時期。ということです。

青いラインが上死点。
赤いラインが点火時期。

分度器があればフライホイールの中心に当てて19度の位置にマーキングすれば良いのですが、手元にないのでフライホイールの外周を計り、度数を距離に換算してみます。

   

フライホイールの実測による周長 511mm

:私のフライホイールは軽量化で外周が
削れているのでこの寸法。通常は523mm程度。

1度あたりの距離 511mm÷360°=1.419444...
進角19度の距離 1.419444...×19°=26.969

よって26.97mm進めた位置が進角19度の地点。

では正しい位置にマーキングしたところで、いよいよタイミングライトの登場です。

   

タイミングライト(電池式)

近所の工具安売店で3,980円で購入。

赤いクリップをプラグケーブルに
挟んでエンジンをかけます。

すると、点火した時にフラッシュが光り
いつ点火しているのかがわかります。

クリップを引っ掛けただけでなぜ電気が検出できるのか不思議でしたが、クリップのところに磁石のようなものがついていて、ここを大きな電流が通過するとフラッシュを光らせる仕組みのようです。(詳しいことは知りませんのであしからず)

これで準備万端。さっそく点火時期の確認を行います。クリップをプラグケーブルに挟みエンジンをかけてライトのスイッチを押すと・・・

   

マーキングした合いマークが見事に浮かび
上がってきました!ちょっと感動・・・

これは写真では判別不可能なので動画を
用意しました。

見たい方は下のアイコンをクリックして
ご覧下さい。

結構大きな音がするので音量はあらかじめ
小さめにしてください。


 For win (mpg 2.21MB)

 For mac (mov 3.75MB)


動画が見られた方。フライホイールに付けた二ヶ所のマークとクランクに付けた合いマークが確認できたと思います。適当に合わせた点火時期ですが、ほぼ合ってたようです(笑)。厳密にいうと若干早いようです。

私はもう触りたくないので調整はしませんでしたが、点火時期がずれている方にその調整方法をお伝えします。どうせなら目分量ではなく、ある程度根拠を持って調整したほうが楽なので、簡単に計算式を作ってみました。

ぜんぜん偉そうに言うほどのものではありません。

前章で点火時期が"早い"場合は時計回りに、"遅い"場合は反時計回りに基盤をずらすことまでわかっています。では合いマークが5o早かったとして、その調整範囲を算定してみます。

   

コイル基盤の実測による周長 334mm
(外周が欠けているので概算)

1度あたりの距離 334mm÷360°=0.92777...

現在のずれ フライホイール外周で約5o早い
5÷1.419444=3.5225°のずれ。

3.5225×0.92777=3.2686mm

よって3.27mm右にずらせばよいわけです。

おそらくこんな方法でずらせば点火時期が合ってくるんではないでしょうか?・・・自分ではやってないので無責任な言い方ですみません。

先程確認した通り私の点火時期も若干ずれていて、ここまでやったんだからぴったり合うまでやれって感じですが、これ以上シビアな調整をしたところで大差はないと思われる(めんどくさい)ので、これで良しとしました。

というか、タイミングライトで点火時期が照らされた時点で、私の気持ちは9割ほど満足してました(笑

尚、前章で気になった「ポイントがどの程度開いているところで点火しているか」です。ゲージが入らないので正確に何ミリとは言えませんが、メモ用紙が挟まるくらいなので約0.05mmといったところでしょうか。その隙間は上死点に近づくにつれて広がり、上死点付近でほぼ最大幅になってました。ただしこれはポイントの"減り"なども影響するかも知れないので、あくまで参考です。

点火時期の調整で走行上どれほどの変化があるのか・・・私にはさっぱりわかりませんが、点火時期を実際に目で見て確認できた!ということで、気分は晴れました。


 

  


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