第四十八章 点火時期の確認・調整
ベスパのサイトや関連書籍を見ていると「ベスパの50S、100はポイント点火なので、点火時期とポイント隙間の調整がなんたらかんたら・・・」という言葉を見かけます。
ポイント調整に関しては何度かやっていましたが、今回は初めてまじめに点火時期の調整を行ってみます。
俊足計画ではエンジン部分と電装部分を二個イチで完成させた車体なので、点火時期がさっぱり分からなくなってしまいました。ベスパの場合それほどシビアな調整は必要ないとよく聞きますが、念のため確認&調整することにしました。
点火時期というのを自分なりに理解した内容で説明すると、ピストンの"上死点"(最もピストンが上に上がった状態)の寸前、すなわちシリンダーヘッド内部の混合気に最も圧力がかかったところで"点火"することが、一般的に理想的な点火時期となるようです。そして"点火"はポイントが開いた時に行われるので、ピストンが上死点に達した時にポイントが開く位置に点火時期を合わせればよい訳です。
まずは"点火時期の確認"をします。以下がその手順です。
1.フライホイルカバーを外し、フライホイルのゴムキャップを外す。
2.プラグを外す。
3.プラグを外した穴から、ピストンが一番上に上がった位置(上死点)まで、フライホイルを回してずらす。このとき棒状のもの(割り箸など)を穴に挿してピストンヘッドの頭に当てると、割り箸がずれてより正確な上死点が見つけられます。ただし割り箸のカスなどがヘッド内に落ちないように注意。
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上死点を見ているところ。 ちなみに私はボアアップしたときに ヘッドを外した状態で上死点の マーキングをしておきました。 |
4.上の状態でピストンをずらさずに、ケースとフライホイールにマーキングする。
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私はクランクケースとフライホイルに 合いマークが来るようにしました。 ちなみにマーキングに使ったのは 修正液。 |
5.フライホイルを時計回りに回してみて、マーキングした上死点の前後でのポイントの開閉状態を確認します。上死点の前後でポイントが開閉しているはずです。この状態を見て、マーキングからあまりにも手前でポイントが開き始める場合は点火時期が"早い"、マーキング上、もしくはマーキングをを過ぎてからポイントが開き始めるようであれば"遅い"と言うことになります。
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上死点に来る手前で今まさに |
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私はこの辺にマーキングしてます。 この位置がセッティングの基準に なります。 もし、調整して状況が悪化しても この位置がわかっていることで、元の 状態に戻せます。 |
3.コイル基盤を固定している3本のナットを緩め、点火時期の確認で"早い"場合は時計回りに、"遅い"場合は反時計回りに基盤を回してずらします。
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黄丸がコイル基盤を固定している ボルト(3本) ずらせる範囲は決まってますが、 通常はこの範囲内で収まるはずです。 (たぶん・・・) |
5.大体この辺と決めたら、3本のナットを締め、スピルをしっかり収めた上でフライホイールを仮付けして、再び点火時期の確認の作業を行います。フライホイールを取付けないとポイントの開閉がされないので確認ができません。これでまだずれているようなら、点火時期の調整の3〜5を繰り返します。
また、エンジンをかけてみて吹け上がりなどをチェックしてみてください。その際はしっかりフライホイールを締めることを忘れずに。
これが調整方法です。面倒くさいですね〜。
私の場合、点火時期がかなり遅かったように見えたので早くしてみました。試走の結果は「うーん・・・どうなの?いいの?」って感じです。そしてこれだけ手間をかけて調整しても、ひとつの不安があります。
それは「ポイントがどの程度開いたところで点火しているのか解らない!!」ということです。
ここまできたらそれを知らずにはいられなくなってしまいました・・・ということで次章で「タイミングライト」を使って点火時期の確認を行います。
前ふりかよ!!長いよ!!と怒らずに、次章乞うご期待。
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