第五十章 カスタムの経緯
2004年8月にサイトをスタートして半年とちょっと。早いもので奮闘記も第50章。
ここでちょっと私の改造の軌跡をお伝えします。
[エンジン]
マロッシ製75ccボアアップ
↓
マロッシ製102ccボアアップ
[ギア]
ピナスコ一次減速ギア
↓
一次減速3.7
[クラッチ]
4枚クラッチ+強化スプリング(4枚クラッチは翌日取り外し)
↓
3枚クラッチ+マロッシ強化スプリング
[キャブレター]
デロルト16Φ
↓
ポリーニ19mmリードバルブキット(リードバルブは未使用)
[その他]
クランク・ポート加工。ベアリング交換
チャンバー交換
軽量フライホイール交換
[外装]
旧型テールランプ取付け
サイドスタンド取付け
旧型グリップ交換
バムミラー取付け
ライセンスホルダー取付け
などなど
・
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・
エンジン周りの改造では、各ステップごとに変化が体感でき満足しています。ただし、しっかり最終形をイメージして改造していかないと、いろいろ無駄が出ます・・・
言い訳ですが、私は今のベスパを手に入れた際、75ccボアアップのピナスコポン付けギアで満足するはずでした。ところが以前所有していた十数年前とは違い、インターネットの普及によっていとも簡単に情報&パーツが手に入り、いろいろな改造があることを知り、つい色々な事がしてみたくなった。というのが理由でしょうか。
50Sにはどのような改造方法があるのか?これが問い合わせで一番多いことなので、ここで簡単にベスパ50Sの改造の各ステップの概要をお話します。
ステップ1。お手軽カスタム(エンジン本体への改造はしない)
参考:部品代約20,000円、工賃10,000円
改造内容 |
改造効果 |
効果 |
軽量フライホイール加工 | 加速・最高速度のUP |
○ |
スポーツチャンバー取付け | うまくいけば最高速UP |
△ |
メインジェット交換 | 焼きつき防止 |
○ |
重いフライホイールを軽量化することで、加速・最高速のUPを図ります。ただしトルクは落ちます。スポーツチャンバーは、排気を良くしてあげる事で高回転までエンジンが回るようになり、うまくいけば最高速のUPにつながります。
ステップ2。ボアアップカスタム(75ccクラス)
参考:部品代約25,000円、工賃30,000円
改造内容 |
改造効果 |
効果 |
75cc(100cc以下)クラスへのボアアップ | 加速・最高速度のUP |
◎ |
ピナスコ一次減速ギア交換 | 加速・最高速度のUP |
○ |
メインジェット交換 | 焼きつき防止 |
○ |
強化クラッチスプリング交換 | クラッチ滑りの防止 |
○ |
対費用効果としては一番だと思います。75ccと50ccのエンジンパワーの差は大きく、坂道でも4速でグイグイ登っていきます。ピナスコギアの取付けにより、ギア比が変わることで最高速度は間違いなく10km/hほど伸びます。
ステップ3。ボアアップカスタム(100ccクラス)
参考:部品代約50,000円、工賃45,000円
改造内容 |
改造効果 |
効果 |
100ccクラスへのボアアップ | 加速・最高速度のUP |
◎ |
一次減速ギア交換(2.8〜3.7) | 加速・最高速度のUP |
◎ |
キャブレター交換(19mm〜24mm) | 加速・最高速度のUP |
○ |
強化クラッチ交換 | クラッチ滑りの防止 |
○ |
一次減速交換でクランクを割る必要がありますが、セッティングが合えば加速は断然よくなり、最高速度も20〜30km/hほど伸びます。
ステップ4。限界カスタム(130ccクラス)
参考:部品代約90,000円、工賃60,000円
改造内容 |
改造効果 |
効果 |
130ccクラスへのボアアップ | 加速・最高速度のUP |
◎ |
ロングストローククランクへの交換 | 130ccクラスの場合必要 |
− |
一次減速ギア交換(2.4〜2.8) | 加速・最高速度のUP |
◎ |
クロスミッション | 適切なギア比への変更 |
◎ |
キャブレター交換(24mm〜30mm) | 加速・最高速度のUP |
○ |
強化クラッチ交換 | クラッチ滑りの防止 |
○ |
とりあえず通常のルートでパーツを入手した場合の最高仕様です。セッティングさえ合えば国産ピンクナンバーも目ではありません(笑)。しかしこのクラスになると駆動系パーツへのダメージも大きく、致命的なトラブルに見舞われた話も聞きます。
― 注:部品代は新品を比較的安価で入手した場合。工賃は某ショップ工賃を参考にしたもので、あくまで参考です
―
簡単に挙げるとこのようになります。これはあくまで一例で、75ccのボアアップでも私のようにキャブレターを19mmに変更してみたりと、色々バリエーションはあります。
排気量を上げればエンジンパワーは間違いなく上がるわけで、それに伴いギア比・キャブレターを変更してあげるということです。ここではチャンバー(排気系)によるチューンナップのことは挙げていませんが、それぞれのステップで見合ったチャンバーを付けていけば効果はあると思います。
いい事ばかりでなく悪影響のことも言っておくと、改造する際大抵は純正以外の部品を取り付けます。それには稀に出来の悪いものもある場合があります。その場合は改造した部分、またそれ以外の箇所が影響を受けて故障する可能性もあるので、パーツの選択には充分な情報収集を行ったうえで取り付けることをお勧めします。
エンジンの排気量が増えて元気になったエンジンで常に高回転で走行すると、エンジン機関の寿命も縮みます。またキャブレターの大口径化はパワーアップに効果はありますが、明らかに燃費が落ちます。
ベスパスモールボディの場合、エンジンの基本機関は50cc〜125ccまで共通の部品も多いですがですが、元々は50ccでバランスの取れた車体なわけですから、個別に改造をしていくと色々とバランスが崩れますので、その都度セッティングが必要になります。クラッチ滑り、キャブレターには私もさんざん悩まされました。
このセッティングというのが大事で、せっかくパワーアップしても充分な効果が得られなかったり、時には故障してしまうこともあります。そこそこパワーがある車体にノーマルで乗りたいという方は、迷わず90ccまたは125ccの車体をお勧めします。50S買ってから「いやーしまった!」って人は、90のエンジンならそのまま乗ります。
私の理想のベスパは、外装は旧車然としていて中身(エンジン)はそこそこ速いというものです。これからも更なる変化を求め手間をかけていくと思われます。実は既に別の改造をしているところだったり・・・。
もちろん安全に走行するためのメンテナンスも行っていきます。
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