第六十六章  HPエンジン分解 その2



 

マニアックなHPエンジン構造の核心に触れるべく、ガンガン分解していきます。

まずはインテークマニホールドを外してみました。

   

50Sがボルト2本に対し、
HPは3本。

吸気漏れしづらそうです。

   

穴の形状も50Sとはまったく
異なります。

不思議な形ですね・・・
続いて、クラッチ・一次減速を外していきます。50Sで使うクラッチ抜きが使えると思ったんですが、なぜかうまくはまらないので、を思ったかクラッチを止めているCリングを外してしまいました。

 
 前面

 
 側面

飛び出すことは予測できたので、グローブはめて手で押えてましたが、思ったより強烈に「ガチョーン」と飛び出してきたのでちょっとびっくり。プレートを順に外し、最後のクラッチケースを外します。

   

落着いてクラッチ抜きをセット
したら、問題なくはまりました。

何がおかしかったんでしょうか。

   

外したクラッチの構成部品。

コルク板は3枚。スプリングを
除いては、50Sと構造上の
違いはないようです。

   

このクラッチのミソ。
6本のスプリングです。

これで均等にテンションを掛ける
ことにより、クラッチの切れが
良くなるんだと思います。

PXのクラッチもこの構造だった
と思います。

   

クラッチ・ブレーキワイヤーの
ガイド。

クラッチワイヤーのアジャスターが
1本しかありません。
続いてシリンダーヘッドを開けていきます。ヘッドの頭頂部にある4本のナットを外し、ヘッドを引き抜きます。

   

50Sとは違い、スタットボルトが
ヘッドを貫通するタイプです。

この構造のほうが、圧縮比が高くても
圧縮漏れづらいんでしょうか?

   

スナップリングプライヤーを使って
サークリップを外してるところです。

よく見えませんね・・・

   

外したシリンダー関連のパーツ。

シリンダーが異様にでかい。
冷却性能を高めるためでしょうか?

尚、シリンダーは50Sと違って
アルミ製です。大きくても軽い。
ピストンを持ってみると、随分軽い印象だったので計測してみました。

 
 50Sのピストン

 
 50HPのピストン

手で持った感覚より、思ったほど差はありませんでした。でも約二割減なので充分軽いのか。大きさは一緒ですがピストンリングのついている位置が違いました。
写真が多くなりすぎたので今回はここまで。今まで黙ってきましたが、実はこのエンジン臭いんです。ガソリンともオイルとも違う匂いがします・・・。作業しない時は大きな布きれ掛けて、ファブリーズ吹きかけて消臭してます。室内での作業に今のところ妻は文句言いませんが、作業してる私が辛いんで、さっさと分解して内部をきれいに洗浄したいと思ってます。

ここで情報募集です。どうやらHP系エンジンはクラッチワイヤーが1本しかないようなのですが、引くのはいいとして、押すときはワイヤー1本のテンションでレバーを動かすんでしょうか?


 

  


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