第六十七章  HPエンジン分解 その3



 

さていよいよクランク分割です。二度目なのでもう緊張しません。まずはケースのボルトを全て外したところです。

   

コイルから出た配線をケース
から外すのが面倒だったので
完全に外さずにボルトを外し
ました。

   

コイルの裏を何気なく見たら

「30 APR. 1993」の文字が・・・

誕生日ってことにしときましょう。


それと「DUCATI energia」との
刻印があります。
ボルトを全て外したところで、ケースをプラハンで軽く叩き、少しずつケースを開けていきます。その時クランクシャフトが暴れないよう布なんかをシャフトに巻いておくといいです。

   

途中の写真撮ってないんで
唐突に開いてしまいました。

ご開帳です。

内部は結構汚れてました。

   

ギアのアップです。

右下に見えるのがスターターギア。

   

クランクのアップです。

クランクには、キャブから漏れた
ガソリンがしばらく溜まっていた
ようでガソリンに浸かってた部分
が汚れてます。

クランクの右上にあるのは
クラスターギア。


クランクの形状は50Sと同じに
見えます。

   

誰かの落書き?メモ?

「RX OK」と読めます。

ひと通り観察が終ったところで、パーツを外していきます。尚、この時点でクランクケース内部の構造及びパーツで明らかに50Sとは違うものは見当たりませんでした。

   

クリスマスツリー(クラスターギア)
を外しました。

今度はベアリングがケースに残らず
ベアリングに付いてきました。

   

クラスターにはまったベアリングを
外してます。

専用工具あると便利ですね〜。
何の苦労もなく抜けました。

   

スナップリングプライヤーを使って
でかいCクリップを外すと、4枚の
ギヤが外せます。

   

取外したギヤです。

ギアの歯数は下記の通り。
( )内の数字はギア比。

1速:10/58(5.80)
2速:14/54(3.86)
3速:18/50(2.78)
4速:22/46(2.09)

ET3と同じギヤ比でクロス
ミッションになってます。

クロスミッションとは各ギア比の間隔が狭く、そうすることでシフトアップする時に回転を落とさずにシフトアップする事ができ、ワイドギアより早くスピードを乗せることが出来るようになっています。

各ギア比が近いのでギアの選択を誤っても回転を上げる事が容易に出来る等のメリットがありますが、ワイドギアに比べてギア比の幅が狭いので、対応スピードの幅が狭い等のデメリットもあります。

   

ギアセレクター周りです。

さてここで問題です。
今セレクターはどの位置に入って
いるでしょう?

答えは下です。

   

ギアが動く様子をGIFアニメ
にしてみました。

   

アクスルシャフト周辺も50S
と比べこれといった違いは
見当たりません。

内部を見ましたが、クランクケース内部で50Sとの大きな違いはないようです。この構造でスムーズにギアが変わるということなのですが、あのクラッチ板がミソなのでしょうか?それとハンドル周りの部品がないのでわかりませんが、ハンドル部分にも何かギアを入りやすくする構造があるのでしょうか?

は深まるばかりです・・・

とりあえずバラシの作業はここまで。次章このエンジンの考察を行ってみようと思います。


 

  


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