第七十四章  ヘッドライトハロゲン化 加工編



 

第六十九章でヘッドライトバルブの交換を行いましたが、改善が見られませんでした。

ヘッドライトのハロゲン化は、実は一年位前からになっていたことなので、いよいよ実行に移してみようと思います。ここで普通だったら現在のバルブと同じソケットのハロゲンバルブを探して取り付ける、通称「ポン付け」の道を選ぶのが普通なんですが・・・

自作派(DIY好き)の私としては、ちょっと面白いことをしてみようと思います。きっかけになったのはバイクショップのセールでした。

  

通常2,500円程度する6V用の
ハロゲンが1,380円で叩き売って
ました。

ハロゲンバルブでは定評がある
らしい「M&H」というメーカー
のもの。国産品です。

明るいぞって文字が、私のをくすぐりました(笑。それから25Wが40W相当の明るさになると、数字ではっきり示したあたりも好感が持てます。

私の場合、衝動買いで何かひとつパーツを買っちゃってから、それをどうやってつけようか?と考えるタイプなので、まずはじっくり観察してみます。

  

左:今回購入したハロゲンの
ソケット形状「PH7型」と
いうらしい。

右:ベスパについているバルブ
のソケット「ボッシュタイプ」
というらしい。

形がまったく違います。

  

それを横から撮ったもの。

電球の大きさも全く異なります。

少々の加工では取付ける事は
不可能と思われます。

注:左のバルブは今回使用する
ハロゲンバルブではありません。

ここで気になったのは、これだけ形状の違うバルブで、ボッシュタイプのソケットを加工してPH7型のバルブを付けた場合、光軸集光率なんかはどうなっちゃうんだろう?と考えました。簡単に言うと「ちゃんとまとまった光で任意の場所を照らしてくれるのか?」って事です。これがうまくいかないと、せっかくライトを明るくしても意味がありません。

そこで現在のベスパのリフレクター(反射板)を使わず、PH7型のバルブがすんなり納まるリフレクターを使えば、集光率なんかはPH7型バルブ用に作られてるはずですから、すんなり行くのではないかと考えたのです。

ただしそれはリフレクターの直径がほぼ一緒でなければいけない。ちなみにベスパのリフレクターは実測で直径約11cm。そんなことを考えながらオークションを物色していたら、興味深いものを発見。

  

ベーツライトという、ネイキット
タイプのバイクに取り付けるヘッド
ライト。

写真撮ってないので、オークション
画像を借用・・・

もちろんソケット形状はPH7型。

リフレクターの直径は約10cmとの
説明がありました。

ここで更に私の気を引いたのは、リフレクターが「マルチリフレクター」だということです。

マルチリフレクターとは「ヘッドライトのレンズにカットを入れず、多面的な形状の反射板によって光の方向を調整するライト」のことです。(知ったふうに書いてますが、調べて書いただけです)

もうひとつ気に入ったのはリフレクターのカット形状が六角形だったこと。ベスパはスズメバチです。ピアジオのマークも六角形です。リフレクターのカットも六角形なんてちょっと洒落が効いてて良いのではないでしょうか。

出品価格は即決で1,950円。これだったら最悪使えなくても諦めが付く金額だと思い落札。

商品が到着したところでさっそく予備のベスパのヘッドライトと、今回入手したマルチリフレクターを比較してみます。すると・・・

  

運が良かったのか、大きさは
ほとんど同じです。

これだったら僅かな加工で
取付けられそうです。

ただし、マルチリフレクターに付属していたレンズはプラスチック製でレンズカットのないもの。本来マルチリフレクターの場合レンズカットは不要なのですが、さすがに旧式のベスパにこのレンズでは間が抜けてしまいそう。というか私の好みではありません。そこでレンズはベスパのカット入りを使い、リフレクターだけ移植することにしました。

そこでさっそく分解です。ベスパのライトはリムが爪でカシメてあるだけ。地道な作業で爪を起こしていけば、レンズ・リム・リフレクターと分割できます。

  

爪多すぎ!

あまり力を入れると折れる恐れ
があるので、ラジオペンチを
使い丁寧に起こしていきました。

  

で、苦労の末リムの取外しが
完了!

少し汚れていたんで、磨いて
きれいにしました。

で、最も重要なリフレクターの大きさは・・・

  

ぴったり!直径はほぼ一緒です!

ただしこれでは、リフレクターの
縁の厚みが大きいので、先程外した
リムを付けることは不可能です。

そこで点線の部分でカット。
切断はリューターで行いました。

プラスチックなので楽に切断でき
ました。

  

加工後がこちら。

縁が薄くなっているのが分かると
思います。

リューターでカット後、バリ落しと
不陸調整のためヤスリをかけました。

この厚さなら問題なく、リムの爪が
納まります。

あとはリフレクター・レンズ・リムの三点の上下をしっかり確認して揃えながら、リムをまた地道にカシメていけば作業完了。

  

左が今回加工したライト。
右がノーマルライト。

SIEM製レンズ付きマルチ
リフレクターライト(なが!)
の誕生です。

うーん。早く取り付けたい!

あとは配線加工だけすれば取付けられます。ただし今回は話が長くなったのでここまで。

次章で最終工程とインプレッションをお伝えします。


 

 

  


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