ベスパ奮闘記 - 第百三十七章

第百三十七章　　ベスパ100　インプレ

大オーバーホール期間中、●リワークスから代車で借りたV100。

ノーマル車両ではなく、いろいろ手が入っているのでノーマルV100と単純に比較はできませんが、三速ベスパの感想や気になったオプションパーツの紹介をしたいと思います。人のベスパですけどね（笑。

50Ｓとの違いはミッションが三速であること。これ以外はギヤ比、排気量、ピストンストローク、キャブ口径を除いて50Ｓと同じ。細かいところで、リアブレーキドラムが50Ｓはスチール製なのに対し100はアルミでできている。

エンブレムはもちろん違いますが、これ以外の違いが思い出せない。

借りたV100はシリンダーのみＥＴ３の物と交換されており125ccとなっていた。それもあってか加速には充分なトルクが感じられた。しかし一速はやはり50Ｓ同様、ギヤ比が低く出だしでしか使わなかった。

二速で回すと50km/hは出ますが、私は35～40km/hで三速に変えていた。それでも失速することなく余裕あるトルクで加速することができる。そして三速では90km/h近くまで出る。実はもっと回りそうだけど試さなかった。

ギヤがかなりワイドなので、せこせこギヤチェンジする必要がなく、セミオートマ状態で運転できるのは楽で良い。

それでは主だったオプションパーツのご紹介。

まずはこれ。

サドルシート。

好みの分かれるところですが、その乗り心地はかなり良い！。柔らかいが段差は拾うノーマルサスの欠点をシート下のスプリングが補ってくれる。ひとことで言うと「昔のアメ車っぽい」とでも言いましょうか。

自分のベスパでは気になった路面のギャップが気にならなかった。しかしそれは路面状況の判断が鈍くなるってことでもあり、縁石のギャップなんかでリアがズルッといくこともあった。まぁ慣れれば問題ない範囲。

シートポジションはノーマルシートに比べ座面が恐らく３cmほど上がる。浅く腰掛けるともっと上がる。ノーマルシートで両足踵が接地しない人は、このシートは最初は戸惑うかもしれません。でもこれも慣れです。

欠点はシート下の収納スペースがツールボックスのみになってしまうこと。雨具などを持ち歩く人にとっては致命的かもしれません。

続いて旧型レバー。

(シャープレバー)

これは旧車風の雰囲気を出すには格好のアイテムですが、手の小さい私には扱いづらかった。ノーマルのレバーよりグリップからの距離が離れているため、いつもより手を広げないと握ることができない。

クラッチは軽かったんで慣れれば問題ありませんでしたが、これで強化スプリング入れてたりすると、ロングツーリングはちょっとしんどいかも。

手が小さいけど旧車風にしたいって時は、やはりノーマルレバーの先端を旧車風に加工するのがよいかと。でもこれ、歩行者に突っ込んだ時に相手に刺さる！と賛否両論あり。私は好きな形ですけど。

続いて「ハンドルバー」とでも
言いましょうか。

ナリワークスオリジナルパーツ。
(たぶん)

見た目の好みは分かれますが、実用性は非常～に高い！。いろんなものが引っ掛けられる。

このようにカバンを引っ掛けても
ほとんど走行に支障がない。

私はシートフックを愛用してますが、その比ではないくらい便利。このベスパ借りてる間にA4コピー紙200枚ほどを運ぶことがあったのですが、普段のシートフックでは紙袋は掛けられない。

でもこの高さであれば縦長の紙袋でも問題なく引っ掛けて走行することができた。キャリアを付けない私は、通勤カバンは肩ひも付きが原則でしたが、これがあれば肩ひも不要だった。

フックを収納式にするかして、自分のベスパにもぜひ付けたい。

続いてはウインカーレス。

ウインカーが付いていない
って事です。

借りた時に一番心配だったのはこれ。手旗を出す必要があるんですが、昼間は良くても夜間の走行はちょっと怖い。左折はほとんど問題はないと思いますが、車線変更が不安だった。

とはいっても、バーエンドウインカーも冬場厚着しちゃうと後ろからはほとんど見えないんで、気分の問題なのかもしれません。

手旗ってちょっと恥ずかしいんですが、いつも曲がるところに警官がいたのでこれ見よがしに「シャキーン！」っと手旗出したら、警官が笑ってた。恥ずかしがらずにビシッと出したほうがカッコよいかと思われる。

とまぁつらつらと人様のベスパを紹介させていただきましたが、総評を述べると「とても乗りやすいベスパ」だと思います。グリップチェンジの楽しさは味わいながら、最低限のシフトチェンジで走行可能。

三速のベスパは、旧車を除き一般的に手に入るベスパではこの車種のみ。これをピアジオ社が三速で販売した理由がわかった気がしました。