第七十一章  クロスミッション取付け その2 ギア交換



 

前章でキャブレターまで外しましたので、その続きです。

あとはチャンバー、タイヤ、サスペション、ワイヤー類を外しエンジンを降ろしていきます。私はやらない方法なんですが、サスペションとワイヤー類を外してしまえば、マフラーとタイヤが付いたままでも、ガバッといっぺんに降ろせます。お好みですね。

  

で、唐突ですがエンジン降ろした
ところです。

私はこのように車体を寝かせて
降ろすことが多いです。
続いてエンジンをよく観察しながらバラしていきます。

  

インマニ付近を見ると、激しく
お漏らししてました・・・

インマニとエンジンの継ぎ目から
オイルが漏れてるんです。

漏れてるってことは吸ってることも
あるわけで、これが二次エアーの
原因にもなっていたと思われます。

○の辺りにオイル染みがあります。

  

インマニを外したところ。

ナットは緩んでいませんでしたが
超オイリー。

ガスケットは切れていませんが
オイルが染み出してたようです。
続いてヘッドをバラしていきます。

  

ヘッドカバーのカーボンの付着は
普通?程度でしょうか。

ただしここでもごく僅かですが
オイル漏れの跡。

圧縮漏れ起こしてましたね。

  

ピストンヘッド周りです。

明らかに圧縮漏れの跡が・・・

ヘッドの模様は・・・

ちょっと濃い状態でしょうか。

  

シリンダーを外しました。

おいおいここもかよ!!
漏れてま〜す。

ガスケットの幅が薄い部分から
オイルが漏れた形跡が。
いや〜まったくお恥ずかしい。ほぼ全てのとこで漏れてましたね。まぁこれは私の整備不良ではなく、マロッシキットがあまりにも圧縮比が高かったって事にしておきましょう(笑

ボルト・ナットが緩んでいたわけではないのにインマニとシリンダーの部分の漏れは特にひどく、紙のガスケットでは限界があるということが分かりました。これについては組む時に対策を考えます。

で、あまりにショックだったのか、クランク割る工程はまったく写真撮ってませんでした。まぁこれは俊足ベスパ計画(25章〜35章)でさんざんお伝えしたので割愛させていただきます。

  

そしてこれが今回する一次減速。

左が(旧)3.76、右が(新)2.54。

歯車の大きさが随分違います。
まぁ当りまえですが・・・

それと2.54のほうのバスケットには
ギアチェンジの時の衝撃を吸収する
スプリングダンパーが付いてます。

○の4ヶ所の部分。

  

クロスの4速のギアも付け
終りました。

もちろんクリスマスツリーも
交換済み。

この作業と同時に各所のオイルシール、ベアリングの状態も確認しましたが、問題は見つかりませんでした。あぁ良かった。

  

そしてクランクケースも閉じて
しまいました!

割愛しすぎでしょうか?

どうでもいいんですが、後ろに
スフィンクス状態のボディーが
います。

お座りしてます!
ということで、今回はここまでにしておきます。それと今回の作業で改めてお伝えすることが3つほどあります。

1.ケースを割ったときにケースにこびりついているガスケットを剥がす際、今回は下の写真のような「スクレーバー」を使いました。しっかり剥がさないと漏れの原因になるので。

  

スクレーバーです。
ホームセンターで200円くらい。

ガスケットをこそぎ落とすには
最適です。

ただし力を入れすぎるとケースに
傷が付いて漏れの原因になるので
注意が必要。

液体のシール剥がしなんかも役に
立ちます。

2.私はケースを閉じる時は、紙ガスケット+液体ガスケット派なんですが、クランクケースを閉じた時点でケースの合わせ目からミッションオイルが漏れないか水密(油密?)テストします。

  

クランクケースを閉じた時点でクラッチ
ケース側からオイルを注入しエンジンを
水平に置きます。

ケースの底の合わせ目の油分をブレーキ
クリーナーなどで完全に取り除き2〜3
時間放置します。

その後、ケースの底の合わせ目の部分を
ティッシュなどでなぞります。

これでごく僅かでもティッシュにオイルが
に付いたら、残念!オイル漏れです。

3.漏れないためには締める時に充分過ぎるくらい慎重にナットを締めていく。これが重要です。

  

ケースを閉じる際は出来る限り
対角線上に締めていくのが基本です。
左が完全に正解って訳ではないです。

それから力加減ですが、私は4回位に
分けて締めています。

1回目・3
割。2回目・7割。3回目9割。
4回目・10割(本締め)

やりすぎかも知れませんが漏れるより
はマシなので。

それからケースを閉じる時にガスケットにオイルが付くのを私は嫌います。各箇所には組む際、エンジンオイルやミッションオイルを垂らします(奮闘記32章 参照)。このオイルが合わせ目に垂れないように出来る限り注意しながら閉じています。

とまぁ、これだけいろいろなことに注意しながらも(無駄な注意もありますが)今回は開けて閉じるまでの所要時間は2時間でした。いいスピードです!でも腰が痛いYO!!

というわけで続きは次章で!


 

  


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