第八十四章 大メンテ その1 エンジン分解
8月のはじめからかなり調子の悪かったベスパ。前章でついでにやっておきたいバージョンアップのためのパーツも入手し、いよいよ決行!
と、その前に8月初めからの不調の内容を少しお伝えすると・・・。
1.アイドリングに近い回転数になると、フライホイール辺りから「カタカタ」と音がする。
2.フライホイール側のクランクオイルシール切れ。
3.二次エアー吸引。しかもかなり激しい。
4.エンジンの調子が毎日違う。伸びが良かったり、カブリ気味だったり。
焼きつくよりはマシと濃い目のセッティングにしていたのですが、毎日の通勤で40分の通勤時間のうち10〜15分は渋滞の中を進みます。しかも会社に通い始めたのは夏。低回転で長時間走る事が多いことから、かなりカブッた状態だと思われます。
まずはエンジン分解から。といっても今までさんざん分解してきたので慣れたものです。各パーツのチェックをしながら分解していきます。
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まずはフライホイールを外して クランクシャフトの溝をチェック。 おぉ!補修後さらに溝が広がって いる様子はありませんでした。 |
ということは「カタカタ」音がするのはココが原因ではなく、やはりクランクベアリングの「ガタ」ということでしょうか?不安は高まりますが先へ進みます。
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続いてフライホイール側の オイルシール。 見事なまでに漏れてます。 漏れるって事は吸ってるって事で、 これも二次エアーの原因になって いると思われます。 |
これはオイルシールセットを用意したので、さくっと交換してしまいます。
次にシリンダーヘッドを外してみると・・・。
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だだーん! 今まで見たこともないカーボンの 付着。これは激しい。 |
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もちろんプラグにもびっしり。 しかしこれで、毎朝チョーク引かずに キック二発でエンジン始動。 タフです。というか不思議です。 |
そしてシリンダーをはずし、ピストンを見てみると・・・。
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これはかなりショック! 前回シリンダー外したのは今年の七月。 今は九月。 約二ヶ月で2,000キロほど走行しました。 それでこんなに焼けちゃうもんでしょうか? |
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続いて吸気側も・・・。 こっちもかなり焼けてますね。 |
これはいったいどういうことなんでしょう?写真撮り忘れましたが、シリンダー内部の壁に目に付くような傷はなく、きれいなもんでした。
そして、漏れゼロを目指して自作したガスケットでしたが、その甲斐もなく漏れてました。
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というか漏れてるの知ってて 放置してたんですけど! やっぱり定期的に「増し締め」 は必要ですかね。 |
続いて駆動系のチェック。
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一次減速は特に問題ないようです。 初めて驚かずに済みました(笑 |
そしてクランクケースを開けて、最も心配していたクランクのロータリーバルブ部分の確認。なぜこれを心配していたかというと、エンジンから聞こえる「カタカタ」という異音。この原因がフライホイール周辺でないということは、怪しいのはクランクベアリングのガタつき。
クランクがガタつくって事は、クランクのロータリーバルブと、クランクケース側のクリアランスが狂って
接触してしまい、最悪の場合、ケースが使えなくなってしまいます。熟練した技術があれば補修も可能ですが私には絶対無理。
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言葉だけでは意味わかりませんね。 この部分です。とても重要です。 尚、写真は使いまわしです(笑 |
ってことで、ケースの予備はないのでドキドキしていたのでした・・・。で、その結果は!?
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ごく僅かですが、前回調べた時には なかった縦傷が入ってます。 ケース側も同様に僅かに傷が。 でも致命傷ではないと思います。 ちょっと安心。(していいのか!?) |
最後に各ギアのチェック、セレクターの爪の削れ具合などを確認しましたが、問題はなさそうでした。
それにしてもあのピストンの焼けはなんなんでしょう?
別に常にビュンビュン飛ばしてた記憶もありません。私が好きなのは4速で60キロくらいで軽く流すことです。時には流れに乗るために少々飛ばすこともありましたが、それほどエンジンに負担をかけるような乗り方はしていないつもりです。
濃すぎるセッティングでゆっくり走りすぎたのが原因か?それとも大した問題でもないのか?。しばらく考え込んでしまいそうですが、これでエンジンの分解とパーツの確認は完了。
次章気分も新たに大メンテナンス&大バージョンアップを行います。
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