第八十九章  大バージョンアップ その4 クラッチ交換




今回の作業はクラッチの交換。といっても、スプリング変えたり4枚にするわけではありません。HPのエンジンについていた、あの「ハイテククラッチ」への交換です。

  

左が50S、右がHP。

って言っても、外からだけでは
わかりませんよね(笑

形も寸法も全く同じです。

  

50Sのスプリングが太い1本
のものに対し、HPのほうは
写真のように小さな6本の
スプリングです。

これにどういう意味があるのか簡単に説明すると、50Sの太いスプリング1本の場合、クラッチを切ってスプリングが縮まる際、必ずしもまっすぐに縮まっていくとは限りません。スプリングの巻きは均等ではないので、縮まる時に斜めになる場合があります。

これがクラッチの切れの悪さに繋がるわけです。斜めになったスプリングのせいで、クラッチを目いっぱい切ってもクラッチ板同士がどこかまだ接触している場所があるからです。私のようにクラッチスプリングをどんどん強化タイプに換えていけばいくほど、その現象は顕著になります。

そこでクラッチスプリングを1本ではなく、数本に分割し力を分散させ、少しでもその力に対して垂直にスプリングに力が加わるように改良されたのが、HPのクラッチなのです。(たぶん)

 

と、言葉で書くとかなり偉そうですね(笑。

では組立てていきます。これは通常の方法と一緒ですが・・・。

  

スプリングがずれてしまうと
トラブルの原因になるので、
6本のスプリングがずれない
よう、慎重に組んでいきます。

この時点でしっかり納まって
いればもう安心。

詳しいクラッチの組み方は特別章で写真を贅沢に使ってお伝えしたので割愛します。そして組み終わったあとに、クラッチの厚みを計測してみたのですが。

  

写真はHPのもの。

全てのパーツを組んだあとの
厚みは15.5o。

50Sの厚みは14.5oでした。
1oほど厚くなっています。

私の推測では、かなり強力なスプリングで数千キロ走行した50Sのクラッチのシュー(コルクの部分)が擦り減って、若干薄くなったと思われます。それ以外の理由で不具合が起きたら、その時また考えることにします。

  

あとはいつも通り収めれば
完了。

収める際に不具合はありま
せんでした。

  

ブッシュが当る蓋もハイテク。

左が50S。右がHP。

詳しくは奮闘記六十五章で。

手に入れたときから、ずっと使ってみたいと思っていたHPハイテククラッチ。

ネットで調べると「Worb5 scooterparts」という、チューンではおなじみの海外サイトで、50S用パーツの中に今回私が使用した6本スプリングのクラッチが販売されてました。どうやらPX用らしいのですが流用できるようです。ちなみに価格は79ユーロ。

さて・・・どれくらい「スパッ!」と切れるかが楽しみです。

 

 

  


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